Eat the Rude.

NBC版ハンニバルを捏ねくりまわすよ

S2E13: Mizumono 彼は僕らを切り裂くはず

シーズン2もついに最終話。ただどんなに端折ってもあと5記事+αあるのね...。たった45分のドラマでこの濃度、えぐい。

青字スクリプトにしかないセリフ、赤字は映像にしかないセリフです

HANNIBAL: You sit in that chair, as you have so many times before. It holds among its molecules the vibrations of all our conversations ever held in its presence.
ハンニバル:これまで何度となくそうしてきたように、きみはその椅子に座っている。その椅子を構成する分子には、これまで存在した私たちの会話すべての振動が含まれている
WILL: All the exchanges, the petty irritations, deadly revelations, the flat announcements of disaster.
ウィル:これまでのやりとり、ささいな苛立ち、殺人の暴露、最悪の不幸を告げる抑えた声音が
HANNIBAL: The grunts and poetry of life. It's all still there. Everything we've said. Listen. What do you hear?
ハンニバル:命の苦鳴と詩もね。すべてはまだそこにある。私たちが発した言葉すべてが。耳を澄ませて。何が聞こえる?
WILL: A melody.
ウィル:メロディーが
HANNIBAL: We are orchestrations of carbon. You and me and that chair.
ハンニバル:私たちは炭素で構成されたオーケストラだ。きみと私、そしてその椅子も
WILL: And Jack.
ウィル:そしてジャックも
HANNIBAL: And Jack. All of our destinies flying and swimming in blood and emptiness.
ハンニバル:そう、ジャックも。血と虚空のなかを進む私たちの運命も
 ※転換-ジャック
WILL: Everybody's settling in for dinner.
ウィル:晩餐の準備は整った
JACK: I'll be wearing a wire. I'll have riflemen on rooftops of neighboring houses. Sight lines to all windows.
ジャック:私は盗聴器を身に付けていく。あとは近隣住宅の屋根、すべての窓を狙えるライン上に狙撃手を配置する
WILL: He'll try to kill you in the kitchen, for convenience. Make it easier to prepare the tartare.
ウィル:利便性を考えれば、彼はキッチンであなたを殺すはず。タルタルステーキを作るのが簡単になるからね
JACK: SWAT team will be on the ground for immediate access to the kitchen, dining room and front door. Can I convince you to wear a vest?
ジャック:SWATチームはキッチン、ダイニングルーム、正面玄関にただちに駆けつけられるよう配置する。きみは防弾チョッキの着用を納得してくれるか?
WILL: He would smell it. Besides, he's not going to shoot either one of us, Jack. He'll cut us.
ウィル:彼はきっと嗅ぎつけてしまう。それに彼は銃で撃とうとはしないよ、ジャック。彼は僕らを切り裂くはず
 ※転換-ハンニバル
ANNIBAL: Little did Agent Crawford know what waited for him when he stepped into my office that very first time.

ハンニバル:クロフォード捜査官が私のオフィスに一歩踏み込んだとき、自分を待ち受けているものが何か彼にはわからないだろう
WILL: Jack won't be easy to kill. He'll be armed. He's strong, well trained. We can't hesitate.
ウィル:ジャックを殺すのはそう簡単じゃない。彼は武装するだろうし、強靭でよく訓練されてる。僕らに躊躇は許されない
HANNIBAL: Hesitation is a consequence of indecision or uncertainty. I'm not suffering from either. Are you?
ハンニバル:躊躇は決断できない、確信がないために生まれる。私はどちらにも悩まされていないよ。君は?
 ※転換-ジャック
JACK: Hannibal thinks you're his man in the room. I think you're mine.
ジャック:ハンニバルはあの部屋できみを自分の味方と考える。私はきみを自分の味方と考える
- Will does not respond.
 ト書き:ウィル、返事をしない
 ※転換-ハンニバル
HANNIBAL: When the fox hears the rabbit scream, he comes a-runnin', but not to help. When you hear Jack scream, why will you come running?
ハンニバル:狐はウサギの悲鳴を聞くと駆けつけるが、助けるためではない。ジャックの悲鳴を聞いたきみは、何のために駆けつける?
 ※転換-ジャック&ハンニバル
JACK&HANNIBAL: When the time comes...
ジャック&ハンニバル:その時が来たら...
JACK&HANNIBAL: ...will you do what needs to be done?
ジャック&ハンニバル:きみはなすべきことをやれるか?
WILL: Oh, yes.
ウィル:ええ、もちろん

このシーンはウィルと対ハンニバル、対ジャックの会話が並行に進むんですけど、スクリプトだとウィルがウルフトラップの家に帰り、ホッブズに見守られながら黒い牡鹿を撃つシーンがさらに並行してカットインするというややこしさ。映像ではOP映像を挟んで独立させてるので、ちょっとはわかりやすいような気がします。ただ、私ここに至ってもまだS1から登場してる「黒い牡鹿」の意味に確信が持ててないんだよな...。そしてウィルが本当はどちら側につこうとしてるのか?という、この時点での心の傾きもわかってない。「黒い牡鹿」の意味がわかってないからウィルの本心が理解できないんだと思う、たぶん。S2ラストでわかることを願いつつ。